川の土手で一人の青年は何か思い悩んでいた。
「俺ってなんでこうなんだろ。」
そうつぶやくと川の方を向いて立った。

一方サニーは散歩を楽しんでいた。今まで幾多の悪人を倒し迷える人々を救ってきたサニーはすっかり英雄的存在となり、街の住人から持て囃される程だ。
そんな中川の土手を歩いてる時だった。

(あれ?あの人どうしたのかな・・・)
一人の青年が思いつめた表情で川に入ろうとしていた。サニーは迷わず彼を引き止めると彼はこう言った。
「俺は生きてても意味ないんだ。」

どうして?と困惑するサニーに青年は更に続けた。
「俺はジェームズ。俺はいつしか悪い噂を立てられて必ず本当になってしまうんだ。電車に乗れば事故で止まるしエレベーターに乗れば閉じ込められるしで生きた心地がしないんだよ。俺はもう・・・」
「そんなことないよ!今は悪いことが続いてもそれが収まればいい事が起きるよ。あなたは決して終わってなんかいないしきっと必ずいいことあるよっ。」
サニーの微笑みにジェームズは気力を取り戻した。

後日サニーは再び街を歩いていると何やら公園の中が騒然としていた。調べてみると二人の男女が倒れていて女性は銃弾に撃たれたり全身を執拗に刺されたりと見るも無残な姿に、男性の方も気絶していた。その姿を見たサニーは彼がジェームズであることに気づく。

サニーは大急ぎで救急車を追って病院に駆け込むとジェームズは意識を取り戻していた。彼は直前の出来事をサニーに話した。
「あの後俺は恋人ができて喜んでいたら今度は俺と付き合った女は必ず殺されると噂されたんだ。そしたら本当に彼女を目の前で殺されて唖然としていたら突然何者かに襲われて倒れたんだよ。それからのことは覚えていないんだ。」
これは只事じゃないと感じたサニーは何か怪しいものがないか調査に乗り出した。

病院を出て現場に向かおうとすると一人の男が話しかけてきた。
「ここにジェームズという名の患者はいますか?」
ジェームズの知り合いと思しき者に尋ねられ、一瞬迷いながらも彼を病院に招き入れるとサニーは彼を追った。彼は医者に部屋を聞くと足早にジェームズのいる部屋に入った。すると彼はジェームズを見ると懐からマシンガンを取り出し突きつけた。
「てめえ生きてやがったのか!」
男はジェームズに怒鳴りつけるがサニーが男を取り押さえると男に問いかけた。
「ジェームズに何をしたの?」
サニーの問い掛けに男は本性を顕にした。
「何をしたもなんのジェームズは俺の後輩社員であいつが来るまでは俺は会社一のモテ男だった。けどジェームズの野郎が入ってからあいつばっかり見向きされて気持ち悪いから噂広めて本当になるように細工仕掛けて苦しめてやったんだよ!あいつに恋人出来た時には胸糞悪くて仕方なかったから奴の恋人殺してうんと苦しめてやったのさ!!安心しろ。ジェームズも今すぐ恋人のところに行かせてやるから。」
男はジェームズを射殺しようとしたが、サニーに阻まれた。すると男は何と窓から飛び降りたのだった。サニーも外へ向かい彼を追った。

玄関を出ると男は既にいなくなっていた。サニーはどこかに身を隠してる可能性を考え辺りを調べた。すると背後から男が引き金を引こうとしていたが、気配を察知したサニーは回し蹴りで攻撃した。男はその場に倒れ、蹲る。

「これでとどめよ!!」
サニーはマシンガンを撃ち続けた。これで男は倒れたかと思いきや何と何事もなかったかのように立ち上がってきたのだ。
「嘘でしょ?」
驚くサニーに男は口を開いた。

「俺は特殊な薬を全身に塗ったから銃弾なんて無駄だ。」
そう言うと男は花壇や植木鉢に咲く花を踏みつけ、植木鉢を玄関に向けて投げつけた。あまりに残忍な行動に怒りをにじませたサニーは激しい攻撃を加えた。ところが男はパワーアップしていてサニーを捕まえると壁に向けて投げつけた。

壁に叩きつけられ血を流すサニー。そんな彼女に男は更に口を開いた。
「残念だったな。銃弾を防ぐだけでなく俺の威力を底上げする効果があるんだよ。所詮か弱い貴様がこの俺を倒すのは不可能ってことだな!」
「それはどうかしら?」
自信を見せるサニーは手から白い光を出した。謎の光に驚く男。

そして

「今度こそ終わりよ!!」
サニーは全力の気功波を放った。攻撃は男を直撃し、その場に倒れた。

それから程なくしてジェイソンは退院し、不吉な人生から解放されたようだ。

終わり

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